中小企業支援施策

平成29年度補正予算 小規模事業者持続化補助金の概要

2018/03/16

平成29年度補正予算 小規模事業者持続化補助金の概要

 

従業員20人以下(商業・サービス業は5人以下)の事業者を「小規模事業者」と区分しています。

この小規模事業者は日本の事業者全体の約87%を占めており、そこで働く従業者数は約25%を占めています。(3-1-1図参照)

 

 

1999年に423万者あった小規模事業者は、15年間で約100万者減少しました。直近2年間でも10万者近く減少しております。(1-2-1図参照)

 

会社や事業の規模が小さいので、人・物・金・ノウハウの経営資源に限りがあり、思うようにいかずやむを得ずやめるということもありますが、近年ですと事業承継がうまくいかずということも多くなっています。

 

小規模事業者に対して国は2014年に「小規模企業振興基本法(小規模基本法)」を公布、施行し小規模企業に対する支援を強化しました。

 

「小規模事業者持続化補助金」とは

小規模事業者を対象にした資金面での支援策の1つとして「小規模事業者持続化補助金」があります。小規模事業者の「地道な販路開拓」や「生産性向上」に対してかかる費用の2/3を補助するという補助金制度です。

 

例年3月頃よりゴールデンウィーク前後まで募集をしていますが、イレギュラーでその期間外に募集することもあります。今年は、2018/3/9~2018/5/18までとなっております。

 

もう少し内容について掘り下げてみていきましょう。

 

小規模事業者持続化補助金の基本的内容

経営計画に基づいて実施する販路開拓等の取り組みに対し、原則50万円を上限に補助金(補助率2/3)が出ます。(特例あり)

  • 計画の作成や販路開拓の実施の際、商工会議所の指導・助言を受けられます。
  • 小規模事業者が対象です。
  • 申請にあたっては、地域の商工会議所または商工会へ「事業支援計画書」(すべての事業者)、「事業承継診断票」(代表者が60歳以上のすべての事業者)の作成・交付を依頼する必要があります。

 

 

補助対象者

小規模事業者については以下のように区分します。

 

 

申請~補助金支給までのフロー

フローは次のとおりです。

 

申請書を事務局に提出する前に、一度管轄の商工会議所または商工会へ申請書を持参し、書類を交付してもらう必要があります。

少なくとも募集締め切りの1週間前までには、管轄の商工会議所または商工会に行く必要があると考えておいてください。

 

 

補助金・補助率について

基本的な補助に関する数値基準は次のとおりとなります。

・補助率 補助対象経費の2/3以内

・補助上限額 50万円

 

簡単に言うと、補助金対象となる全体の金額が75万円ならば2/3の50万円を補助金として支給し、これがMAXとなるということです。

もし、補助金対象となる全体の金額が60万円ならば、2/3の40万円が補助金として支給、100万円ならば50万円を支給するということです。

 

ただし、例外があり次に該当するものは上限額が変わります。

(1)単独事業者での例外

①従業員の賃金を引き上げる取組

②買物弱者対策に取り組む事業

③海外展開に取り組む事業

※①~③いずれか1つになります。(複数選択できません)

この場合は、倍支援してもらえます

・150万円以上の補助対象となる事業費に対し、100円を補助します。

・150万円未満の場合は、その2/3の金額を補助します。

 

(2)複数事業者連携による例外

複数の小規模事業者が連携して取り組む共同事業の場合は、補助上限額が

「1事業者あたりの補助上限額×連携小規模事業者数」の金額となります。

※500万円がMAXとなります。

 

(3)(1)と(2)の併用

単独特例と複数事業者連携の特例を併用した形もOKです

ただし、補助上限額は500万円がMAXとなります。

 

 

ここまでは小規模事業者持続化補助金の概要について書いてきました。

 

次回は、申請書の作成や採択後の注意点などを書いていきたいと思います。

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