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IT関連のサービス・ツール導入で失敗しないための予防策

2017/09/01

IT関連のサービス・ツール導入で失敗しないための予防策

 

前回の「ITの利活用」の回では、業者の言いなりになって失敗してしまうことがあるということを書きましたが、今回はそれを防ぐポイントを書いていきましょう。

 

中小企業がIT投資を行なわない理由

 

図は、IT投資未実施企業のIT投資を行わない理由ですが、①IT導入できる人材がいない ②導入効果がわからい、評価できない ③コスト負担ができないという 順になっています。

このような中でも、何かしらIT投資をしたいと思って、業者さんの話を聞くことが出てくると思います。

業者の中には、よくわからない専門用語やデモンストレーション用の画面を巧みに操作しながら説明を展開していくことも少なくありません。

 

不安をあおられるようなことや非常にリースナブルに感じさせるような料金を提示されて、(ついうっかり)契約書にサインをすることになっている経営者の方もいらっしゃいます。

 

これを回避するにはどうしたらよいのでしょう?

 

「こんなことになるなんて」とならないための意識の持ち方

持っておかなければならない心構えとして、2つ上げます。

 

①「現状あるもの・持っているもので対応できないか」「無料で対応できるものはないか」

例えばホームページであれば無料で作ることができるサイトがありますし、そのサイトを使って作ることを教えてくれるセミナーなども安価(3,000円~5,000円くらい)で開催されています。

販売促進であれば、その他SNSやチラシ、POP、キャンペーンなどもあります。

また、その他の例ですと、受発注管理や請求書、納品書などはエクセルやワードを使えばできます。

「無料でできるものはないか」と立ち止まる点は、無駄な投資をしてしまわない重要な点です。

 

③契約を結ぶということは借金を抱えるという意識を持つ

「契約をしてお金を払うことになる」ということは、負債いわゆる借金を抱えるということになります。

ありがちな契約で言うと、「毎月2万円であれば支払いやすい金額ですから、負担はほとんどありません」と言われてサインをしてしまったなんていうのがあります。

しかし、5年契約で途中解約すると残額を違約金として払うというような規定があるというのも少なくありせん。この契約を結べば、120万円の借金を背負うことにもなります。

また、2万円を捻出するということは、少なくとも2万円以上の売上ではなく、2万円以上の利益を生み出さなければ回収できません。利益が±0では意味がありませんのでそれ以上の利益が出ないといけません。

自分のお店や会社の利益がどのくらいの割合で生まれているかにより変わりますが、小売業や飲食業で2万円以上の利益を上げるのは簡単ではないでしょう。まずは、費用をかけた分効果があるのか、契約を結ぶということは借金を抱える可能性があるということを意識しましょう。

 

 

 

IT業者をよんで説明を受けるときの注意点

無料では対応できない、難しいということで、システムやツールの導入を検討し、業者さんから説明を受ける際どのようなことに気をつけたらよいでしょう。

①できればシステムのことが少しはわかっている身内関係者を同席させる

同席させることができない場合は、少しでもわからない言葉やしくみがでてきたら質問をしましょう。

一方的に説明をしてきて、わからないというと嫌な顔をする営業もいますが、とにかく、自分の理解ができるレベルまで話を分かりやすくしてもらい理解をしましょう。

 

②競合他社にも提案してもらい、相見積もりをとる

同じことをやれる機能を持つシステムやツールは、たいていの場合あります。

1つの会社だけの話を聞いても都合よく話をしているケースがほとんどだと思ってよいと思います。

競合他社を呼び、「この会社のこのツールの話も聞いている」といって、自社と競合他社のメリット、デメリットを説明させることで、外部の目を通した見方を情報として得ることができます。

 

③いくらかかるのか。いくら借金することになるのか算出する

そのシステムやツールを導入すると、イニシャル(導入時に)いくらかかり、ランニング(運用時に)でいくらかかるかをきちんと算出しましょう。

前にも書いたように、いくら毎月払えそうな金額でも契約年数が長いもの(1年以上は長い)になれば、何百万円となることもあります。借金を背負わせると疑うくらいの気持ちで見ていきましょう。

④契約書の説明を詳しく受ける。営業が話した口約束の話は契約書に必ずいれてもらう。

営業はあの手この手を使って受注しようとして、あれこれ口約束をするケースが多いです。

お客様のところでの事例で言うと、営業が約束した話と、導入に至った後の運用の担当者との間で話がずれている、話が通っていないということが多々あり、クレームとなることもしばしばです。

しかし、契約書には、導入までに話した代理店や営業の口約束はすべて無効ですという意味の条文が入っているシステム会社の契約書というのもありました。

 

アプリケーションの導入の場合ですとなかなか難しいようですが、打ち合わせの中でポイントとなる内容はメモをしておき、必ず契約に入れてもらうようにしましょう。レギュラーの契約書には入れられないということであれば、それとは別に契約書を作ってもらうくらいやってよいと思います。

それができないということであれば、その業者さんはあまり信用がおけないところだと思い、その後の契約締結の有無を決断してください。

 

専門的なことや法律的なことはとっつきづらく敬遠しがちの方も多いとは思いますが、一度契約をすると契約書を盾に杓子定規に対応してきます。「面倒だからまあいいか」とか「この人はいい人そうだから大丈夫」とかではなく、少し頑張って調べることや、少し詳しい周りの人に聞くなどしてシステムやアプリケーションなどのITを導入していきましょう。

 

資料出典:2016年版中小企業白書

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