中小企業支援施策

補助金と助成金の違い

2018/01/16

補助金と助成金の違い

 

補助金と助成金を一緒と思っている方がしばしばいます。

ある基準をクリアしていると、国からお金がもらえることに変わりはありませんが、異なるところがあります。

申請を考える人は、あらかじめその違いを知っておくと、時間や労力を余計に費やすこともなくなると思いますので、少しまとめておきましょう。

 

補助金と助成金の違い

必ずしも決まっているわけではありませんが、次のような点に違いが見えます。

・中小企業が利用するものとして、補助金は経済産業省(中小企業庁)が主体となっていることが多く、助成金は厚生労働省が主体となっていることが多い傾向にあります。
(補助金は観光庁や環境省などほかの省庁からでているものもありますし、都道府県などでは国の補助金のようなものを助成金という呼称で出しているケースもあります。)

・補助金は経営計画やその補助事業の施策などを申請書に記して提出し、一斉に審査を受けて当落があります。一方、助成金は要件を満たしていれば、全ての事業者に予算の範囲内で支給されることが多いです。

・「補助金」は、補助金を活用した商品やサービスで利益が出ると、返還する必要が出てきます。

・補助金は事業者1人だけでも申請できますが、助成金は雇用保険に加入している従業員がいないと申請できないことがあります。
(ただし、都道府県で行っている助成金は上述の補助金と同様のケースが多いようです。)

・労務系の助成金は、3年以内に会社都合解雇などをおこなっていると、支給基準から外れ、受給できないことがあります。

・都道府県や市区町村でおこなう助成金については、国の補助金にあたるものもあります。

※それぞれの補助金や助成金で、審査基準や補助される割合などまちまちです。また有名なものもあれば、全然知られていないようなものもありますので、商工会議所や産業支援機構などの窓口や専門家に相談をすると自分が活用できるものが見つかるかもしれません。

 

補助金や助成金をとる上での注意点

最近は、補助金や助成金をとるための支援をする機関や業者が増えています。

補助金や助成金を獲得し、出ていく費用を抑えることは必要ではありますが、お金がもらえるから何かやろうという本末転倒な考え方となっている事業者や、お金儲けのためだけに補助金をとることを進める業者、成績のために進める機関も少なくありません。

 

本来、補助金は、事業者が将来の成長に向けて経営計画を作り、実行予定であった内容について申請を上げるべきなのです。つまり、補助金が出ても出なくても行う予定であった施策について、申請を上げるべきもので、お金が出るから、後だしの計画を作って取るというのは言語道断です。

ある意味、そのような形でとった補助金は税金の無駄遣いともいえるのではないでしょうか。

 

もし、現在計画などなく補助金をとろうという方は、今ある頭の中にあることを計画としてきちんと整理して見える形にし、その上で本当に必要なものに対して、補助金対象として申請をいただければと思います。

 

それと、労務系の助成金に関しては、その助成金の申請は社会保険労務士の独占業務になっております。業者経由での申請の場合、その業者または業者の委託者が、社労士でない自称助成金コンサルタントや無資格者が行えば社労士法違反となります。場合によっては、事業者にも実刑ということもあり得ます。

依頼を行なう場合はきちんと確認してから進めるようにしましょう。

 

 

 

関連記事