経営計画・事業計画

バランススコアカード(BSC)の考え方を使って方向性を考える

2017/04/11

バランススコアカード(BSC)の考え方を使って方向性を考える

 

前回は、経営方針とは何かということを書きました。

おさらいしておきますと、

・理念と現状のGAPを克服していくためにはどのような方向性でいくとよいのかということを考えていくこと

・理念や理想像を確認しながら、今の課題を踏まえ、お店や会社全体でどのような方向に進んでいくべきか、大きな方向性を練っていくこと

と、いうことでした。

 

それでは、この方向性を考えていくときにどんなことを踏まえるとよいのでしょう?

今回は、方向性やその後の戦略や戦術を考えるときに持っておくとよい視点について書いていきましょう。

 

 

BSC(バランススコアカード)という考え方

BSC(ビーエスシー)またはバランススコアカードという言葉や名前を聞いたことはありますでしょうか?

解説書ではないのでBSCについて詳しくは掘り下げませんが、BSC(バランススコアカード)というのは、アメリカの大学教授とコンサルタント会社で作った「業績評価システム」のことで、その後経営情報システムや戦略的な経営システムとして位置付けられるようになりました。

このBSCでは、ビジョンを明確にした後、4つの視点で戦略や評価指標を決定していきます。この4つの視点を拝借して、方針決定の段階から活用することで、より有効的な「方針⇒戦略⇒戦術」と展開できると考えています

 

ここで、「評価指標」とありますが、簡単に言えば決めたことの到達点や目標と考えていただければと思います。私の方で言いたいのは、バランススコアカードの手順や手法にきっちりはめるわけでなく、まずは視点だけ活用していけばよいと思っています。

 

BSC4つの視点

ここで4つの視点について書いていきましょう。

①財務の視点

②顧客の視点

③業務プロセスの視点

④人材と変革(学習と成長)の視点

 

この4つの視点で方向性・戦略・戦術を考えていきます。

これだけですと、ピンとこないという方もいると思いますので、少しだけ掘り下げていきましょう。

 

①財務の視点

理念を達成するためにはどのような財務状態になっていなければいけないか。そのためには、「直近、中長期的にどうなっていなければいけないから、何をしなければいけないのか」ということを考えて、大きい方向性を考えていきます。

着目点としては、「直近の売上、利益を確保するには」ということが中心となってきます。

 

②顧客の視点

財務視点の達成のために、どのようなアプローチをしたらよいかということを、顧客の視点から考えていきます。簡単に言いますと、「お客様にどのように満足していただくか」ということになります。

また、顧客満足をあげるためには、まずは従業員満足を上げることが必要という考え方があります。従業員に対して施策をおこない、従業員のモラールやモチベーションを高めることで、行動や考え方に変化があらわれ、それが顧客満足につながるというマーケティング論で、「インターナルマーケティング」という考え方になります。こちらも顧客視点に入り、「従業員にどのように満足してもらうか」という観点も考慮する必要があります。

 

着目点としては、「顧客満足度向上」「従業員満足度向上」ということが中心となります。

 

③業務プロセスの視点

顧客視点の達成のために、「どのように仕事の仕組みを構築すべきか」「どのような仕事の仕組みに変更していくべきか」ということを考えていく視点となります。例えば、サービス品質の改善や納期の遵守、短縮化などがあげられます。

結果、「改善」や「効率化」ということになることが多い視点です。

 

着目点としては、「品質」「コスト」「納期」、いわゆるQCDの観点が中心となります。

 

④人材と変革(学習と成長)の視点

業務プロセス視点の達成のために、「どのような従業員になるべきか」「教育方法はどのようにするのか」「どんな新しいことをやっていくのか、導入していくのか」ということを考える視点です。

 

着目点としては、「人材教育」「人材採用」「新サービス開発」の観点が中心となります。

 

少し長くなりましたので、今回はここまでにして、次回は方針を考えるの総まとめをおこなおうと思います。

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