経営計画・事業計画

経営計画策定の仕上げ

2017/07/11

経営計画策定の仕上げ

 

前回まで一通り経営計画の策定は終わりましたが、最後に確認・調整する必要があります。

今回は計画の仕上げについて書いていきます。

 

利益の考え方

集計したP/L計画の売上高と営業利益額を確認しましょう。

「売上高ー売上原価ー販売管理費(経費)=(営業)利益」について、少しここで補足します。

 

個人事業主の方の場合

ここで出る利益というのは、サラリーマンでいう源泉徴収票の「支払金額」にあたります。ということは、この額から税金や社会保険(年金や健康保険)を払い、ローンがある方はローンの返済、生活費などを払うことになります。

なので、単に黒字だというだけでは喜ぶことはできません。

個人事業主は、社会保険や税金等の支払額も考慮した額を利益として計画しなければいけません

 

法人の場合

法人の方の場合は、自分の給料は役員報酬や給与として経費の中に入りますので、利益は余る本当の利益となります。ただし、ここから法人税を払うことになりますし、借入金がある場合は返済もここから出していきます。

法人の方であれば、赤字の状況ということであれば、まずは1円でも黒字化するということを目指していきます。

 

ただ、将来の事業発展を考えるならば、利益額を増やし新しいことを行うため投資にあてられるお金の確保も考慮していかなければいけません。

 

P/L計画を作ったらどうする?

P/L計画で出てきた売上額や利益額と、初めの段階で作った経営目標で設定した売上額や利益額と相違があるかを確認します。

ぴったりということであれば、そのままこれまで作ってきた計画全体の最終確認をして終わりとなりますが、たいていの場合、合わないということがほとんどです。

 

では合わなければどうするのか。

 

「合わせます」

と、言っても無理くり合わせるのではなく、何が要因かを検証していきます。

 

もし、利益額が当初の目標よりも足りないのであれば、売上額が少ないのか、費用が多いのか、そのどちらもなのか、などをチェックし、売上が足りないのであれば、どのようにして増やすのかを考えます。

もし新たに取り組むことが出てくるのであれば、戦略や戦術に付け加えていきます

 

費用の場合は削減を検討していきますが、本当にその費用が必要なのかを見直し、どうしても削れないのであれば、売上を伸ばす方法を考えましょう。

また、どうしても当初の目標値に届かないということであれば、当初の目標値の設定を変えるということも選択肢となります。

 

ここまで、経営計画策定について書いてきましたが、計画を作ると満足してしまう方もしばしば見受けられます。

「計画が作り終わった」=「スタート地点に立った」ということですので、きちんと計画どおり実行できているのかどうか、定期的に、売上・利益は、少なくとも月1回はチェックをしていくのが望ましいでしょう。

 

それでは、次回は「定期チェック」について書いていきます。

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